■日程:2024年9月20日(木)~24日(月)
■場所:聖園子供の家(藤沢市)
協力・会場提供: | 児童養護施設 聖園子供の家 (神奈川県藤沢市) |
---|---|
助成: |
公益財団法人 大同生命厚生事業団 |
スポンサー: | |
パートナー: | |
主催: |
NPOリトル・クリエイターズは、恵まれない環境に置かれた子ども(18歳以下)が、アートをツールに自分を表現し、人と出会い、交流する機会を得て、見えない障害を乗り越えて社会を生きていくための「夢」や「智慧」「力」をはぐくむ手助けをしようと応援してきました。2023年12月には、児童養護施設 聖園子供の家の高校生2人をシンガポールに送り、今いる世界とは違う世界をのぞいてみる体験プログラムを実施しました(『ショートスティinシンガポール』)。その際に、今度は迎える側で世界の子どもとつながりたいという声を聞き、形にしたのが当該企画『アートキャンプ2024』です。
日本(聖園子供の家) | 17歳男子、17歳女子、15歳女子、14歳男子 |
シンガポール | 16歳男子、16歳女子、14歳女子 |
マレーシア | 18歳女子、17歳女子 |
インドネシア | 15歳男子、15歳女子 |
各国の参加者は、貧困や家庭内暴力の環境に置かれているなど、各国の社会で弱者とみなされる子どもたち。聖園子供の家からは、2023年にシンガポールでホームスティをした2人と次にシンガポールに行かせてあげたい2人が参加、ホスト役を務めました。
9月21日(金)9時30分~11時30分
事前に共通の宿題としていた写真を使ってのワークショップ。
各国の参加者と聖園子供の家の子ども合計17人が、8月18日の午後自分がいる場所で「空」を撮影、そして「虹」の色と同じ色のもの(例えば、橙色ならみかんやひまわりなど1人につき7点)を撮影してL版にプリントし、素材として使用しました。
海を挟んで遠くに離れているようでも、私たちはみんな空でつながっている。今日はその空の下に一緒に虹の橋をかけよう、というコンセプト。
約110cm × 200cmの白い台紙に、聖園子供の家の子どもを含めて総勢19人で、初めに空の写真を、その下に1色ずつ7色の写真を並べていきました。未就学児の手も借りて全ての写真を台紙に貼りつけた後、最後は隙間を7色のクレパスで埋めました。その後、作品の下部に全員でサインをし、作品を完成させました。
9月21日(金)13:00~15:00
講師は清水絢子さん。お嬢様のありすさんも助手として参加してくれました。
午前中の美術ワークショップで参加者が大分打ち解けてきた中、ストレッチを行うことで一気に参加者の関係が密になりました。聖園子供の家の子どもも参加し、総勢22人。
曲は日本の参加者が選んだMrs. GREEN APPLEの「StaRt」から。2時間のワークショップの最後には小さな子から大きな子まで全員でしっかり踊れるようになりました。
22日(土)15:00~16:30
2日目は一部の子どものリクエストに応えて少し難しい振付に挑戦。曲はK-POP、STAYCの「Teddy Bear」から。始めは前日と同じくらいの参加人数でしたが、少しずつ脱落者も。それでも全員が楽しんで踊ったり、応援をしたり、笑顔が絶えないワークショップとなりました。
9月21日(金)9:30~11:30 & 13:00~15:00
鈴鹿音神太鼓から岩本代表率いる5人のメンバーが、数種類合計20台の和太鼓をもって指導に来てくださいました。未就学児含め22人が参加し、「勇駒」という曲に挑戦。挨拶の仕方、撥の持ち方から始まって、足の開き方、太鼓のどこを打つのか、強弱の付け方、掛け声のかけ方などを習得していきました。初めて体験する太鼓にみんな真剣に取り組んでいました。
9月22日(日)17:30~20:00
各国の参加者が事前に用意したプレゼントを交換。日本からは色紙にメッセージや絵をかいて贈呈。シンガポールからは参加者が描いた作品など、マレーシアからは参加者が染色をしたトートバック、インドネシアからはバティックの小銭入れなど、ほかにも聖園子供の家のみんなへとお菓子やおもちゃも贈られました。
その後は聖園子供の家とのお別れパーティー。子どもが喜びそうなご馳走がたくさん並び、海外からの参加者は特にお寿司に大喜び。ワークショップに参加しなかった子どもも集まって、和気藹々の食事会になりました。
誰ともなくお礼の印にと、海外参加者が歌を歌ったりピアノを弾いたり。聖園子供の家の子どもも加わって、最後はダンスの披露も。そして、この日が誕生日のインドネシアの参加者のためにサプライズでケーキが出され、Happy Birthdayの大合唱。忘れられない誕生日になったようです。涙、涙、の別れとなりました。
子どもたちへの影響(アートキャンプ後の変化、できれば個人単位で)
プロジェクトについての感想(また参加するか。意見や改善点等)
ArtCampについての意見、感想
日本:聖園子供の家(施設長、担当職員から)
子どもたちへの影響(アートキャンプ後の変化、できれば個人単位で)
3か国の子ども達との濃い4日間は、代表の4名には忘れられない時間になったと思います。聖園っ子たちも一緒に活動をして、言葉がうまく言えなくても気持ちが通じているように感じるなど感想を述べていました。世界にも友人がいる強みを作れたことはリトル・クリエイターズの皆さんのおかげです。心から感謝いたします。ありがとうございました。
プロジェクトについての感想(また参加するか。意見や改善点等)
ぜひ参加させたいと思います。中心となって参加する子どもだけでなく、他の子ども達も何らかの役割を持ち、積極的に参加出来たらと思います。
同じ体験を通して言葉自体が通じなくても関わりを持てること、異国に飛び込む勇気、受け入れる勇気、周りを見る力、積極性などその子に応じて色々な部分で成長する機会になったと思います。改善点では無いですが、ホテルの部屋割が海外・日本ではなく複数人ずついると安心して初日から参加出来てハードルが下がるかなと思いました。ただ、ペアになる事で責任感を持ったり、コミュニケーションを取らないといけない状況になる事も子どもの成長には良いと思うので、一長一短だと思われます。また、せっかく日本に来てもらったので、先生に教えてもらうプログラムに一緒に参加する事も良かったですが、折り紙を教えてあげる場面など、日本らしい事を子どもが教えて取り組む、等の場面を取り入れても良かったかなと思います。
体力的には大変な様子もありましたが、とても良い経験になったと思います。ありがとうございました。
ArtCampについての意見、感想
前回のシンガポールへのホームステイから、今回の来園、普段の中での色々な活動、招待全てにおいてですが、子ども達にはなかなか体験できないことを経験させていただき、ありがとうございます。特に今回のアートキャンプは聖園に来てもらう事で、一部の子どもではなく多くの子ども達が違う文化、言語の同世代の子ども達に出会い、関わる良い機会になりました。子ども達の様子を見て、本当に言葉ではなく関わろうとする、話したいと言う気持ちだけであれだけコミュニケーションを取る事が出来るのだと驚かされました。私たち大人には中々飛び越えられない壁をやすやすと越えていく子ども達には、普段の様子と違い頼もしさも感じました。もちろん40名弱いる子どもの中にはその一歩が踏み出せなかった子どももいましたが、今回の機会で触れることが出来たことも良い経験だと思っています。素晴らしい機会を与えていただき、ありがとうございます。
シンガポール:The Rice
子どもたちへの影響(アートキャンプ後の変化、できれば個人単位で)
3人の参加者は、この旅を通じて得た友情から最も大きな恩恵を受けました。それぞれがユニークな体験談を共有し、旅に異なる何かをもたらしたようです。3日の間に、時には彼らの快適ゾーンから外れるような状況に置かれるのを目にしました。中には楽々と対応する者もいれば、適応するのに時間がかかる者もいましたが、最終日には3人全員が困難や様々な感情を乗り越えていました。彼らの笑顔や、涙を堪えながら友人たちへの熱い想いを語ったことからも、それは明らかでした。3人は、将来の日本交流プログラムに参加を希望する者に自分たちの体験を伝えることを楽しみにしています。
プロジェクトについての感想(また参加するか。意見や改善点等)
このような国際交流は、恵まれない環境で育った子どもに、一歩踏み出して異なる生活様式を体験する機会を与えます。子どもの視野と思考を広げ、他の子供や大人たちが直面するさまざまな課題に触れることができます。多くの参加者は日常生活で直面する課題に疲れ果ててしまうこともありますが、このような旅行は彼らの闘志を再び燃え上がらせ、他の子どもの人生の物語から学ぶことで、より良い未来を築こうという意欲をかき立てることでしょう。このような機会はそうそうあるものではありません。だからこそ、私たちには彼らに学び、考え、文化を体験する場を提供し続ける理由があるのです。私たちはこの活動を続けていきたいと考えています。
ArtCampについての意見、感想
次回に向けての意見
・アクティビティ間の待ち時間を短くする。
・各アクティビティの後に振り返りの時間を設け、参加者が活動の目的や学習の要点を振り返ることができるようにする。
すべてがよく考えられ、計画されていたと思います。食事、ホテル滞在、交通手段、アクティビティは楽しく、教育的で、参加者に大きな影響がありました。このような素晴らしい体験をさせていただき、心より感謝申し上げます。教師として、私たちは絆を深め、生徒たちについてより深く知る機会を得ました。
素晴らしいホスト役を務めてくださったリトル・クリエイターズに感謝します。計画から出発まで、すべてがうまく計画されており、この交換留学をうまく取り仕切ってくださったことに感謝しています。本当に素晴らしい経験でした。リトル・クリエイターズ、聖園子供の家のスタッフ、そして私たちと一緒にいてくれた若者たちから多くを学びました。
マレーシア:The Smile Team
見たところ、また参加者の感想から、このプロジェクトが参加者や他の子どもたちにも良い影響を与えたことがわかります。今後もキャンプやプロジェクトに参加できることを楽しみにしています。他国からのプレゼンテーションやセッションを含む追加日を設けていただけると良いと思います。
インドネシア:Yayasan Asa Shahati Indonesia
子どもたちへの影響(アートキャンプ後の変化、できれば個人単位で)
2人ともに変化が見られました。自分たちは恵まれていると感じたようです。ジャカルタの孤児院を訪ねるときは、連れて行ってほしいと頼まれています。
プロジェクトについての感想(また参加するか。意見や改善点等)
とても良いプロジェクトです。 文化や伝統、あるいは日本特有のものを紹介する方向に発展させていくといいかもしれません。例えば、茶道に関する知識、サムライの簡単な歴史、日本の皇室の伝統に関する知識など。
ArtCampについての意見、感想
日程をもう一日延長して、子供たちが一緒に過ごす時間を増やしてもよいかもしれません。文化的なイベントに参加するもよし、単に一日一緒に外出することもよし。